六代目
1987年11月22日生まれ。初代中村萬壽の長男。91年6月歌舞伎座 『人情裏長屋』の鶴之助で初お目見得。94年6月歌舞伎座〈四代目中村 時蔵三十三回忌追善〉の『幡随長兵衛』の倅(せがれ)長松と『道行旅 路の嫁入』の旅の若者で四代目中村梅枝を襲名し初舞台。2024年6月歌 舞伎座『妹背山婦女庭訓』三笠山御殿のお三輪ほかで六代目中村時蔵を襲名。
面長で涼しい目元に曽祖父・三代目中村時蔵の面影が宿る。『金閣寺』の雪姫のような情熱的な姫、『菅原』の戸浪のような弁えた女房、『壇 浦兜軍記』の阿古屋のような堂々たる傾城、コクーン歌舞伎『切られの与三』のお富で見せた悪婆、『すし屋』のお里のような娘。急所を外さない役作りで女方はもちろん、父・父萬壽同様『忠臣蔵』の力弥のような若衆や『髪結新三』の忠七のような二枚目も本領。何を演じても本格で見物を唸らせる末頼もしい花形だ。