初代
1989年5月12日生まれ。初代中村萬壽の次男。94年6月歌舞伎座〈四 代目中村時蔵三十三回忌追善〉の『道行旅路の嫁入』の旅の若者にて初代中村萬太郎を名のり初舞台。
立役。大きな目と愛嬌のある口元が印象的。ひと舞台ごとに着実な成長を見せている。『白浪五人男』の赤星や『義経千本桜』の義経などの二枚目では、凛とした品格にどこか人懐こい人間味が加わり、父初代中村萬壽とも兄六代目中村時蔵とも違った魅力を放つ。『対面』の曽我五郎などの荒事や『馬盥(ばだらい)』の蘭丸などの赤っ面は独自路線。『髪結新三』の勝奴では剽軽な持ち味が効いた。『三社祭』の善玉や『土蜘』の渡辺綱など舞踊も良い。